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遺言を作成し、不倫相手に自分自身の財産を渡したいという方がいらっしゃいます。たしかに場面としては法律婚が事実上破綻していて、不倫相手との方が長い時間を過ごしたという方もいるため、「自分の財産は(不倫相手の)Aに遺贈する~」という遺言書を作成する気持ちも分からなくはありません。
問題は、このような遺言は無効になってしまうのかどうかです。そもそも民法には「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする(民90条)」とされています。不倫は「公の秩序又は善良の風俗に反する」ものと考えられるため、不倫相手にした遺贈が無効になってしまうかどうかが気になるのです。
不倫相手への遺贈は、ケースによっては無効ではありません。最高裁は、次のように判断したことがあるのです。
妻子のある男性がいわば半同棲の関係にある女性に対し遺産の三分の一を包括遺贈した場合であっても、右遺贈が、妻との婚姻の実体をある程度失った状態のもとで右の関係が約六年間継続したのちに、不倫な関係の維持継続を目的とせず、専ら同女の生活を保全するためにされたものであり、当該遺言において相続人である妻子も遺産の各三分の一を取得するものとされていて、右遺贈により相続人の生活の基盤が脅かされるものとはいえないなど判示の事情があるときは、右遺贈は公序良俗に反するものとはいえない。(最判昭61.11.20判時1216-25)
上記の判断がなされた背景には、男性が妻とは別居しており、夫婦としての実態はある程度喪失していたという事情があります。すべての場面において、不倫相手への遺贈は有効だということでは決してありません。
一方で下級審の判断ですが、婚姻関係を破綻する原因をつくった女性に対してすべての財産を包括遺贈するとしたことが公序良俗に反し、無効とされた裁判所の判断もあります(東京地判昭63年11月14日判時1318-78)。
上記でみてきたように、不倫相手への遺贈だからといって全ての場面で遺言の効力が否定されるわけではありません。
上記「最判昭61.11.20判時1216-25」によると、不倫相手とどのくらい期間付合いがあったのか、夫婦関係が既に破綻していたかどうか、当該遺贈が正妻及び子にどのような影響があるのか、遺贈の目的が不倫相手の生活を保全することが目的かどうかなどが考慮され、場合によっては無効ではないと扱われることもあるのです。
しかしながら不倫相手への遺贈は常にトラブルに発展する可能性を秘めているといえます。そのような遺言を作成する際は、遺される方のことを考え、くれぐれも慎重に作成してください。
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