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札幌で公正証書遺言の作成に関して相談を受けた際、遺言作成の要件である「署名・押印」について聞かれたことがありました。そもそも公正証書遺言を作成するための要件は、民法に規定されています。そのなかに、「署名・押印」があるのです。条文を確認すると、下記の通りです。
民法第969条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。
署名と押印が求められているのは、遺言者本人と証人です。では、署名ができない場合はどのようになるのか、押印は実印が必要なのか、これらについて説明します。
手が不自由な方などは、字を書くことが現実には難しい場面があります。そのような場合は、公正証書遺言を作成できないかというと、そんなことはありません。遺言者が字を書けない場合に備え、民法は次のように規定しているのです。。
問題になるのは、署名することがまったく不可能ではない場面です。無理をすれば署名することができる場合は、民法第969条第4号但し書の取扱いを受けることはできるのでしょうか。下記の判例をご覧ください。
遺言者が、遺言当時胃癌のため入院中で手術に堪えられないほどに病勢が進んでおり、公証人に対する本件遺言口述のため約15分間も病床に半身を起していた後でもあったから、公証人が遺言者の疲労や病勢の悪化を考慮してその自署を押し止めたため、公証人の言に反対してまで自署することを期待することができなかった等原審認定のような事情があるときは、民法第969条第4号但書にいう「遺言者が署名することができない場合」にあたると解される(最判昭和37年6月8日)。
遺言者は高齢であったり病気がちであったりすることはよくあることです。このような場面で無理に署名(自書)を求めると、それこそ遺言者の体に非常に負担になってしまいます。上記の判例はそのような場合で、「民法第969条第4号但し書」の取扱いを認めた判例です。
しかしながら、判例はあくまで「上記の個別的な場面での裁判所の判断」に過ぎません。したがって署名は自書によることが大原則であることは忘れてはいけないのです。
証人の署名については、民法第969条第4号に相当する条文は見当たりません。
したがって証人は字を書ける者である必要があります。誰を証人にするかは自由ですが、字を書ける者を選ぶようにしましょう。
なお、証人については下記も参考にしてください。証人になれない「欠格事由」について詳しく解説しています。
続いては押印です。民法第969条第4号によると、遺言者と証人のそれぞれが押印しなければいけません。では、この押印は市町村役場に届け出た印鑑(実印)でなければいけないのでしょうか?
民法の条文からは実印でなければいけない旨は読み取ることはできませんが、下記の取扱いになっています。
遺言者が実印になるのは、公証役場にて、遺言者の本人確認のために印鑑証明書が求められるためです(公証28条参照)。
公正証書遺言の作成に関しては、下記の記事も参考にしてください。
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